ネットでの誹謗中傷のリスクと対処法をご紹介します!

誹謗中傷では偽計業務妨害罪に問える!企業や店舗を守るためには?

誹謗中傷では偽計業務妨害罪に問える!企業や店舗を守るためには?

ネット上で企業や店舗に対して誹謗中傷をすると、「偽計業務妨害罪」の成立する可能性があります。

企業や店舗に関わらず、何かしらの商売をしていると「口コミ」というのは無視できません。たった1つの悪評から業績が悪化してそのまま倒産しまうことも珍しくないだけに、故意に誹謗中傷する行為は営業妨害に当たるためです。

今回は、ネット上での誹謗中傷で成立する偽計業務妨害罪とはどのような刑事罰なのか、適応される条件や事例についてご紹介します。また、企業や店舗が被害にあったときの対処もまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

1.誹謗中傷で成立する偽計業務妨害罪とは?

偽計業務妨害罪とは刑法233条に記載されているもので、「虚偽(偽計)の情報を流すことで相手の業務行為を妨害したとき」に成立します。これは民間の業務だけでなく、警察や消防など公的な業務も同様です。

また、偽計業務妨害罪が成立すると「三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金」の刑事罰に処せられる可能性があります。さらに民事訴訟では1,000万円以上の損害賠償請求が成立したこともあるとても重い罪です。

2.偽計業務妨害罪が適応される3つの条件

企業や店舗などの営業を妨害するような虚偽の情報を流すと、偽計業務妨害罪に問われる可能性があるとのことですが必ずしも成立するわけではありません。では、どのような条件で偽計業務妨害罪が成立するのか見ていきましょう。

継続性のある業務である

偽計業務妨害罪は業務を妨害したことに対する罪ですから、被害の対象は「業務」となります。

ここでの業務とは「継続性のある」ものを指しており、1回だけのイベントなどはまず業務妨害には当たりません。しかし、過去には政治家のパーティが妨害されたことで成立したこともあるため、継続性については結構曖昧です。

ただ、何にせよ企業や店舗などが行っている業務活動に対する妨害は、基本的に業務妨害とみなされます。

発信された情報が虚偽である

業務であるかも重要ですが、偽計業務妨害罪では同時にその情報が「虚偽」であることもポイントです。

虚偽とは「情報が客観的に真実とは異なる内容」であることで、つまりは「ウソ」になります。反対に、結果的に業績を悪化させるような情報であっても、その情報が真実であれば偽計業務妨害罪は成立しません。

ただし、偽計業務妨害罪は成立しなくても、誹謗中傷は真偽に関係なく「名誉毀損」の成立可能性があります。

不特定多数に拡散する

業務であることや虚偽の情報であること以外には、情報が「拡散」されたかも偽計業務妨害罪には関係します。

例えば、ネットの書き込みやSNSの投稿など、世界中の誰もが閲覧できる環境に情報を拡散させることがこれに当たります。不特定多数が虚偽の情報を目にすることにより、業務の社会的な信用が失墜する可能性があるのです。

たった1件の投稿が「炎上」して潰れてしまう企業や店舗も珍しくないだけに、営業妨害が成立するのも当然でしょう。

3.誹謗中傷で偽計業務妨害罪が成立した事例

ネットやSNSは誰でも気軽に投稿できるとても便利なものであると同時に、その秘匿性から相手を誹謗中傷するハードルの低くなりやすいツールでもあります。では、実際に偽計業務妨害罪が成立した事例をご紹介しましょう。

アルバイトのいたずら投稿

ある飲食店のアルバイトがいたずらのつもりで、SNSに「うちのスープには虫が入ってる」と投稿したそうです。

この投稿が拡散されて以降、飲食店の売り上げは大幅に低下してしまいました。アルバイトは偽計業務妨害罪として書類送検されただけでなく、店主から100万円もの損害賠償請求を求める民事訴訟を起こされたのです。

最近ではこの事例によく似たものが各地で起こっており、ニュースで取り上げられるなど社会問題となっています。

犯人の家族と間違われて

ある町工場では殺人犯の名前と出身地が同じというだけで、ネット上で関連づけて情報が拡散されたそうです。

その結果、町工場には毎日のように「お前のとこの息子だろ!」「犯罪者の家族が!」などの誹謗中傷する電話が鳴り続けました。これもまた偽計業務妨害罪として虚偽の情報を拡散した方は書類送検されています。

ちょっとした類似、勘違いから想像できないほど悪意のある誹謗中傷に発展するのがネットの恐ろしいところですね。

4.誹謗中傷で業務妨害を受けたときの対処法

誹謗中傷では偽計業務妨害罪に問える!企業や店舗を守るためには?

誰もがネットに、SNSに自身の考えを投稿できる現代において、いつ被害を受けてもおかしくはありません。

では、もしネットの誹謗中傷で業務妨害を受けたとき、どう対処すべきなのかですがまずは「警察」に相談しましょう。と言うのも、偽計業務妨害罪は基本的に「親告罪(被害者の告訴により成立する)」であるためです。

その為、たとえネットの誹謗中傷により多大な被害を受けていても、申告しないとまず警察は動いてくれません。

さらに、ネットやSNSは秘匿性が高いことから、投稿した相手を特定するにはサイトやSNSの管理者とやり取りしたり、裁判所に手続きしたりと法的な知識が求められます。まずは警察に相談しつつ対処するのが効率的なのです。

また、偽計業務妨害罪のような刑事罰を求めるだけでなく、損害賠償請求など民事訴訟を起こすのであれば弁護士に依頼することをおすすめします。それも「ネットの誹謗中傷」を専門にしている弁護士に相談するのが安心です。

5.まとめ

ネットの誹謗中傷によって社会的な信用を失うと、企業や店舗は倒産に追い込まれることも珍しくありません。

だからこそ、ネットの誹謗中傷はとても悪質で、「偽計業務妨害罪」のような刑事罰が定められています。大切な会社や店舗を守るためにも、誹謗中傷を受けたときはすぐ警察に相談するのがいいでしょう。

ただし、ネット上の誹謗中傷は削除されることがあるため、投稿内容は写真などに残しておいてください。また、地域の所轄ではなく、ネットを専門にする「サイバー犯罪相談窓口」に相談するとよりスムーズに対応してくれますよ。

店舗や企業を持つ経営者の方にとっては、日ごろの防犯はしておくに越したことはありません。やっておけばよかった…とならないために、小さな対策から初めてみるのが大切です。

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